習慣的に喫煙している人に「たばこをやめたいですか?」という質問をしたところ、約4割の人が「やめたい」と思っている事がわかりました。しかし、たばこへの依存が、禁煙を始めたり継続したりすることを困難にさせています。これらの依存にどう対処するかが、禁煙成功のポイントとなります。
喫煙はがんや生活習慣病の発症率を高めるだけではありません。気管支やその先端にある肺胞に炎症が起こり、息切れやせき、たんの症状が出るCOPDは患者の約9割が喫煙者だといわれています。さらに、口臭や体臭、味覚の低下、肌の老化やくすみなど、さまざまなデメリットがあります。中でも、たばこから漂う副流煙を吸うことで、周囲の非喫煙者の健康まで害する事になります。
禁煙はあなただけでなく、周りの人にもメリットの多いことなのです。
心理的依存とは、過去の喫煙経験からなる習慣的な依存です。例えば、起床後の目覚めの一服、食後の一服、休憩時間にコーヒーと一服、などが心理的依存です。
身体的依存とは、有害物質のひとつであるニコチンへの依存のことです。ニコチンには強い依存性があり、血液中のニコチン濃度が低くなるとたばこを吸いたくなるのです。
禁煙したい人を対象に治療を行う禁煙外来では、医師が禁煙をサポートします。ニコチンは薬物中毒の一種で、ニコチン依存症は「病気」です。ニコチン依存度が高いと診断されれば、医療機関で保険診療がうけられます。主な治療方法として、「経口禁煙補助薬」を内服する方法と、ニコチンパッチなどを使用する「ニコチン代替療法」があります。
ニコチンを含まない禁煙補助薬を内服することで、たばこをまずく感じるようになり、禁煙できるようにする。
ニコチンを含まない禁煙補助薬を内服することで、たばこをまずく感じるようになり、禁煙できるようにする。